第一部
史記 : 孝文本紀

史記(孝文本紀 第十)
東北大学附属図書館所蔵 国宝:阿8/2
延久5年(1073)大江家国書写。
祖本は唐から齎された写本(唐鈔本)と推測される本文。
宋版本に先行する劉宋裴駰集解本の原形をよく伝えているとされる、史記校勘学上の貴重資料である。また、古訓点資料としても高く評価される。訓点は家国点(1073)、家行点(1101)、時通点(1196・1202)と三段階あるが、家国点が基本となっており、紀伝道大江家の家学をよく伝える証本である。本文は異体字や踊り字などに唐鈔本の特徴が残っており、注記には当時大江家に秘蔵されていたと推測される佚書からの引用が見られる。紫式部が参照した史記も、時代的に言えば唐鈔本もしくはその写し(旧鈔本)と推定される。昭和27年(1952)11月22日、国宝に認定。僚巻として、巻九呂后本紀(毛利報公会蔵)、巻十一孝景本紀(大東急記念文庫蔵)がある。
参考文献:『国宝「史記」から漱石原稿まで―東北大学附属図書館の名品―』(磯部彰編、2003年)、『アジア遊学140 旧鈔本の世界』(勉誠出版、2011年)
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