『源氏物語』本編にない、光源氏と六条御息所の出会いの経緯を描いた偽書。1冊。作者は本居宣長(1730-1801)。宝暦13年頃(1763)までには成立していたと推定される。
前東宮の死後、娘一人を抱えて思い悩む御息所を案じた帝の申しつけで彼女の許に光源氏が来訪するという内容。『源氏物語』の展開を周到に踏まえるとともに、叙述の文体も『源氏物語』本文の特色を巧妙に取りこむ。『源氏物語』に対する宣長の学識に裏打ちされた佳品として評価が高い。