作り物語。4冊。作者未詳。原題は『今とりかへばや』で、現存本は平安後期物語『とりかへばや』の改作として12世紀後半に成立したもの。
異性装の趣向を持ち、男女きょうだいの性役割の交換を描く。男装の主人公をはじめ登場人物の造型には『源氏物語』宇治十帖の影響が色濃く、『源氏物語』からの場面の摂取や詞章の引用も様々にみられる。その叙述は『源氏物語』が古典としての地位を獲得していく時代の享受を知る指標としても注目される。