『源氏物語』の注釈書。一条兼良(1402〜1481)著。文明4年(1472)以降、数度の改稿を重ねて成立した。
兼良は和歌・有職故実・仏事に通じた当時を代表する碩学で、その学問的な態度はこれまで重視されてきた出典考証よりも、文脈に沿った読みを優先しており、前代の注釈家とは一線を画す考証を示している点に兼良の大きな特色がある。このような兼良の注釈態度は『伊勢物語』にも及び、古典研究に画期をもたらした。