歌物語。2冊。
『伊勢物語』は江戸時代には多くの読者を得て、数多くの版本が出された。本書はその魁となる慶長13年(1608) 刊の嵯峨本『伊勢物語』である。48枚の整版挿絵が含まれた絵入り版本であり、江戸期における挿絵本の出版に大きな影響を与えた。嵯峨本とは16世紀末からの50年間に京都の嵯峨で活字印刷・出版された書物をいうが、嵯峨本『伊勢物語』はその最高傑作とされる。仮名をつなげた連綿の活字や色替わりの料紙にも工夫がみえる。