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国宝:『史記』と『類聚国史』

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東北大学では国宝2点を所蔵しています。それが「史記 孝文本紀巻第十」(延久5年(1073)写)と「類聚国史 第二十五」(平安時代末期写)です。これらはともに大正元年に狩野亨吉から購入された資料に含まれていたものです。実物は徹底した温湿度管理のもと、厳重に保管しています。

史記 孝文本紀巻第十

「史記」は中国前漢の歴史家司馬遷(前145-86?)が書いた史書で、伝説上の天子黄帝から武帝(前140-87在位)の治世までを描く通史。本学で所蔵するのは文帝の本紀(皇帝の動静や業績を記す)である。

文帝は前漢第五代の皇帝。中国前漢の司馬遷が著した歴史書「史記」を書写・加点(日本語で読むための記号)したもので、平安時代の延久五(1073)年写、康和三(1101)年・建久七(1196)年・建仁二(1202)年、大江家国以下の校合加点(書き入れ)と奥書に見られる。年代が明記されたわが国最古の史記写本であり、昭和27年国宝に指定された。  

類聚国史 第二十五

「類聚国史」は平安時代に編纂 された史書で、古代日本の正史の記事を、菅原道眞撰により分類・編纂したものである。分類の中には地震を集めた箇所もある。892年(寛平4年)に完成した。

類聚國史 巻第二十五

ルイジュウコクシ

もとは計205巻あったが応仁の乱(応仁元(1467)年~文明9(1477)年)で散逸したとされ、現存するのは62巻のみである。『日本後紀』の多くが失われており貴重な資料である。第二十五巻は帝王部のうち持統~陽成等の事蹟を記す。昭和27年国宝に指定された。