小谷文書について
小谷文書は、仙台城下町国分町に店を開いた小谷新右衛門から伝来した、主に仙台藩の仲間制度・薬種関係商品の流通に関する文書群です。
小谷家は、日野大窪町に本家を持った薬種商人・瀬戸物商人であり、本家の名前は小谷庄三郎といいます。小谷家は、店名義の小谷新右衛門のもとで、文化9年(1812)に仙台国分町に出店し、仙台城下町の薬種仲間に加入しました。仙台以外、三河国大沼(愛知県豊田市、文政8年開店)・出羽国(山形県・秋田県)・下野国塩谷郡桜野村(栃木県さくら市)などにも出店しましたが、その経緯は不明です。
仙台では仲間の代表である当番という役職も務めており、そのため、小谷文書の中には、薬種仲間関係史料だけではなく、仙台藩の「六仲間」全体に関わる史料も多数あります。六仲間とは、太物仲間・古手仲間・呉服仲間・繰綿仲間・小間物仲間・薬種仲間の6つの直仕入仲間からなる仙台城下町仲間の連合体のことをいい、近世後期の仙台藩では、他領からの輸入や取引などの独占権を持っていました。
仙台藩の仲間は、取引制度・密売統制・国産方・取引税などの経済・流通の様々な制度に深く関わっていたため、小谷文書ではその関係史料も多く残されています。さらに、薬種仲間扱い商品の沢瀉・川芎・人参・砂糖などの流通に関する史料の他、仙台藩の港町の海運や江戸問屋との関係を示す史料も豊富にあり、仙台藩の経済史・流通史・金融史を知る上では貴重な文書群です。
史料のほとんどは近世後期から明治にかけて作成されていましたが、写しとして17世紀の仲間関係史料も含まれています。小谷新右衛門は、天保年間以降、中井新三郎・岩井八兵衛・谷口惣兵衛などの仙台城下町の近江商人たちと一緒に、藩財政に深く関わるようになりました。安政年間には中井・岩井などとともに「御財用方御用達」に任命されたので、安政改革時の財政に関わる書簡も含まれています。
幕末維新期を経た小谷の仙台店は、昭和初期まで存続しました。
東北大学附属図書館は、昭和10年(1935)に小谷文書の「正編」(2500点程度)と昭和12年(1937)に「続編」(594点)を購入し、現在、附属図書館古典資料室にて保管しています。
〇資料現物の所在:図書館本館2号館4F
〇資料現物の利用:閲覧のみ。閲覧には手続きが必要です。貴重書係 etsu2あっとマークgrp.tohoku.ac.jpまでお問い合わせください。
〇画像の二次利用:出典の明示などの条件の下に、基本的に自由に利用いただけます。ページヘッダメニューの「画像・原本の利用」をご覧ください
メタデータ(資料の詳細情報)について:
メタデータの箱番号及び史料番号は、宮城県図書館にて作成された、昭和11年・12年の目録『小谷文書 仙台薬種仲間記録 目録』を踏まえているが、史料のタイトルや他の情報は新たに作成した。
デジタル化とメタデータ作成は、総合知デジタルアーカイブ「資料の電子化助成事業」及び東北大学統合日本学センター共同研究プロジェクト「東北大学所蔵の近世・近代日本経済史史料のデジタル化と総合研究」(代表:ジョン・ダミコ)の一部として行われたものである。